天才外科医に娶られてママになりましたが、溺愛生活継続中です
手順に従って検査薬を使用して、ドキドキしながら結果を待っていると、検査薬の小窓の色が徐々に変わり始めた。

震える手で検査薬の小窓を見てみると、『判定』の部分に薄っすらと赤いラインがある。


「う、嘘……」


妊娠、してる。
やっぱり、さっきのめまいは妊娠していたからなんだ。

検査薬を持って急いで外科外来へと戻ると、草壁さんに結果を伝えた。妊娠を知った彼女は私のことを抱きしめて、大喜びしてくれる。


「嬉しいよぉ……!! おめでとう!!」
「ありがとうございますっ」

「大澤先生には、帰ってから報告する?」
「はい。そうします」


本当は、すぐにでも伝えたい。

だけど、翔くんのオペの邪魔をするわけにはいかないし、直接伝えたいからメッセージも送らないでおくことにした。

それに、めまいの理由もわかったし、もう一安心。


「大澤さん、今日はもう帰りな? 相道さんには、私から上手く言っとく」


どこまでも優しい草壁さん。彼女がいてくれなかったら、今頃どうなっていたか。


「ありがとうございます。そうさせてもらいます」


お言葉に甘えて帰宅の準備を進めると、翔くんには『やっぱり早退します』と、妊娠したことがわからないようなメッセージを送信しておいた。
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