天才外科医に娶られてママになりましたが、溺愛生活継続中です
とは言えず、とりあえず否定しておく。

結婚して子どもを授かっても、こうして旦那さんにときめくことはおかしい?


「ふーん。俺はいつも真衣に見惚れてる。仕事してる真衣のことも、家にいる真衣のことも」


そう言いながらソファーに私を押し倒した翔くんは、唇を塞いだ。そして当然のように舌を絡められ、「んっ……」と甘い息が漏れてしまう。

……ダメだ。
このままだと、流れに乗せられる。


「しょ、翔くん……待って」
「無理。待てない」

「ち、違うの! そうじゃなくて」


翔くんの身体を押し返し、ソファーに座り直した。拒否られたのかと思った翔くんは、少し不機嫌そうな顔で私のことを見つめている。


「あのね。嫌とかじゃないの」
「それじゃあなに?」

「妊娠……してる」

「えっ?」


不機嫌な表情から一変、今度は驚きの表情を見せる翔くん。そんな翔くんに昼間の検査薬を見せると、もう1度私のことを強く抱きしめた。


「真衣……! 夢みたいだ。ありがとう」
「翔くん……」

「ハワイのときに出来た子かな」


そう言いながら、翔くんは私のお腹にそっと触れた。

時期的に、多分そうだ。
新婚旅行でハワイに行ってたくさん愛し合ったときに出来た子だろう。
< 44 / 51 >

この作品をシェア

pagetop