天才外科医に娶られてママになりましたが、溺愛生活継続中です

キミしかいないーseid翔ー

真衣が第2子を妊娠したと知り、俺は腹を括った。

いつまでもしつこく執着してくる相道さんに、俺からも一言言わせてもらうと決めた。

正直なところ、彼女には関わりたくないというのが本音だ。でも、真衣の妊娠がわかった以上、真衣に心身共に負担を掛けることはしたくない。

俺が守ると、そう決めたから。ただそれだけだ。



「大澤先生、救急搬送お願い出来ませんか? 脳外科の先生方、緊急オペで手が離せなくて……」


怒涛の外来が終わった午後。看護師長が困った様子で俺に話しかけてくる。

今日の当番は脳外科医だったはずだが、緊急オペだというなら仕方がない。俺たちも緊急オペで手が離せないと別の診療科に託すこともある。


「患者情報は?」
「単独事故です。ご主人が運転する車がぶつかって、奥様はドクターヘリで別の病院に運ばれるそうです」

「うちは、旦那さんの方を受け入れるのか」


「はい」と、看護師長が頷く。

とりあえず受け入れて、全身精査をするしかない。


「骨折もあるだろうから、整形にもコンサルする。声かけといて」
「はい。わかりました」


安堵の表情を浮かべた看護師長は、バタバタと外来を出て行ってしまった。そして看護師長と入れ替わりで俺のところへやって来たのは、相道さんだ。

話しかけられると困ると察した俺は、一旦医局へ戻ろうと席を立つ。
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