天才外科医に娶られてママになりましたが、溺愛生活継続中です
「大澤先生、待ってくださいっ……!」
「なんだ」


わざと冷たい視線を向けると彼女は一瞬顔を歪めたものの、再び口角を上げた。その明らかに作った笑顔にどうも嫌気が差して、今すぐにその場から立ち去りたくなる。


「そういえば……奥様、妊娠されてるって本当ですかぁ?」
「……あぁ」


どうしてそんなことを?
真衣が自分から相道さんに話したのか?

いや。真衣はそんな大切なことを簡単に話したりしない。話すのであれば安定期に入ってから公の場で話すだろう。

まさか。どこからか、探りを入れた……?


「妊娠したら、奥様って子どもばかりでしょ? 相手してもらえなくて、退屈してませんかぁ?」
「別に」


勝手な憶測で話され、腹が立つ。


「私で良ければ、相手になりますよ? 例えばぁ……夜の相手とか?」
「……君、俺のことをバカにしてるのか?」


冷たい表情で言い放つと、俺は彼女のことを睨みつけた。

真衣との夫婦関係がない? そんなわけない。

真衣のことは愛しているし、子育てが大変で相手をしてくれなかったとしても、ほかの女性にうつつを抜かすことなんてない。

子育てが大変なら俺が手伝い、2人の時間を作ればいい。夫婦とは、そういうものだ。
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