遠くに行ってしまった幼なじみが副社長となって私を溺愛してくる
第6話 目覚めた場所
「ん、んん~」
目が覚めると、私は何故か見知らぬ部屋にいた。しかも、ベッドの上で。
これを叫ばずにはいられようか! と思った瞬間、口を抑えた。
もしも部屋の主に気づかれたら大変だ。そもそも何でこんな状況になったんだろう。
確か、会社で怖いお姉さま方に囲まれて、副社長……が雪くんで……。
それで帰りに駅へ向かっていたら、その雪くんがいて……。
「それから……どうしたんだっけ?」
あぁ、そうだ! お姉さま方が総務課で、雪くんの秘書をしているんだった。
そこまでは何とか覚えている。だけどその先は、と頭を抱えていると扉が開く音がした。
思わず視線を向けると、見知った人物が立ちすくんでいる。
雪くんだ。良かった、雪くんならこの現状の答えを……と思った瞬間、あることに気がついた。
自分の身なりだ。
雪くんがいて、私がベッドの上って、マズくない? マズいよね、色々と。
けれど雪くんは、それを確かめる時間さえも与えてくれなかった。
「だ、大丈夫か? 具合は? 今度は頭が痛いのか?」
「え? え? え?」
何?
扉の近くにいた雪くんが、いつの間にかベッドの脇にいて、さらに顔を近づける。加えて矢継ぎ早に尋ねられたものだから、私の脳内はパニックに陥った。
「ち、近い! 近いってば!」
目が覚めると、私は何故か見知らぬ部屋にいた。しかも、ベッドの上で。
これを叫ばずにはいられようか! と思った瞬間、口を抑えた。
もしも部屋の主に気づかれたら大変だ。そもそも何でこんな状況になったんだろう。
確か、会社で怖いお姉さま方に囲まれて、副社長……が雪くんで……。
それで帰りに駅へ向かっていたら、その雪くんがいて……。
「それから……どうしたんだっけ?」
あぁ、そうだ! お姉さま方が総務課で、雪くんの秘書をしているんだった。
そこまでは何とか覚えている。だけどその先は、と頭を抱えていると扉が開く音がした。
思わず視線を向けると、見知った人物が立ちすくんでいる。
雪くんだ。良かった、雪くんならこの現状の答えを……と思った瞬間、あることに気がついた。
自分の身なりだ。
雪くんがいて、私がベッドの上って、マズくない? マズいよね、色々と。
けれど雪くんは、それを確かめる時間さえも与えてくれなかった。
「だ、大丈夫か? 具合は? 今度は頭が痛いのか?」
「え? え? え?」
何?
扉の近くにいた雪くんが、いつの間にかベッドの脇にいて、さらに顔を近づける。加えて矢継ぎ早に尋ねられたものだから、私の脳内はパニックに陥った。
「ち、近い! 近いってば!」