玉の緒と可愛いあの子
心の中では微塵も思っていない言葉を小町は口にし、作り笑いを浮かべた。
そして受験が終わり、三年生は卒業式まで自宅学習となった。小町が読書をしているとテーブルに置いてあるスマホが音を立てる。紫から電話がかかってきていた。嫌な予感を覚えながら小町は電話に出る。
「はい。もしもし」
『小町ちゃん、阿部くんに告白したよ!付き合うことになった!』
興奮気味な紫の言葉が小町の頭の中を通り抜けていく。頰を涙が伝った。幸せそうな紫が憎い。しかし愛おしい。
「おめでとう」
小町は声を振り絞ってそう言う。紫の目には最初から小町は「友達」としか映らなかった。今までも、これからも、きっと変わらない。
「幸せになってね」
嫌だと心のどこかで叫ぶ声を無視して、小町は泣きながら笑った。
そして受験が終わり、三年生は卒業式まで自宅学習となった。小町が読書をしているとテーブルに置いてあるスマホが音を立てる。紫から電話がかかってきていた。嫌な予感を覚えながら小町は電話に出る。
「はい。もしもし」
『小町ちゃん、阿部くんに告白したよ!付き合うことになった!』
興奮気味な紫の言葉が小町の頭の中を通り抜けていく。頰を涙が伝った。幸せそうな紫が憎い。しかし愛おしい。
「おめでとう」
小町は声を振り絞ってそう言う。紫の目には最初から小町は「友達」としか映らなかった。今までも、これからも、きっと変わらない。
「幸せになってね」
嫌だと心のどこかで叫ぶ声を無視して、小町は泣きながら笑った。