お試しデートは必須科目〜しなけりゃ卒業できません!〜
第三章 お似合いのカップル?
次の日から、学校で見かける工藤くんは、眼鏡をかけていなかった。

コンタクトの調子がいいのだろう、良かった良かった、と心の中でひとりごちていると、クラスの女の子達の会話が聞こえてきた。

「ねえ、工藤くんってコンタクトにしたのかな?」

「分かんない。たまたま眼鏡が壊れただけかもよ?」

「でもさ、眼鏡ない方がいいよね」

「うん、ちょっとかっこいいよね」

やっぱりそうか。

そう思うのは私だけじゃなかったんだ。

工藤くん、眼鏡ない方が絶対いいよ。

私は他人事なのに、なぜだか嬉しくなった。

翌週になっても眼鏡をかけない工藤くんに、
「やっぱりコンタクトにしたんだね」
と、女の子達は頷き合っている。

「なんか心境の変化でもあったのかな?」

「さあねー?」

そんなやり取りが聞こえてきて、私は少し後ろめたくなる。

そしてまた約束の土曜日がやって来た。
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