お試しデートは必須科目〜しなけりゃ卒業できません!〜
(あーあ、明日はオープンキャンパスか)

あれから2週間が経ち、相変わらず何も工藤くんとやり取りしないまま、私は最初のオープンキャンパスの日を翌日に控えていた。

(ま、いいか。どのみち工藤くんには関係のない大学だもんね。一人で気ままに見学してこよう)

そう気持ちを切り替えて机に向かい、参考書を解いていた時だった。

スマートフォンに工藤くんからメッセージが届いた。

(なんだろう…)

嬉しいような、読むのが怖いような…
ドキドキしながら画面を開く。

『こんばんは。明日のオープンキャンパス、9時に駅前で待ち合わせでいい?』

え、いやいや。
あなたに関係のない大学ですし。
一人で行くので結構です。

そう返信しようとして手を止める。

しばらく考えてから、思い切って入力した。

『こんばんは。はい、それで大丈夫です。よろしくお願いします』

迷う前に送信する。

そうだ、深く考えてはいけない。

淡々とやり取りしよう。

相手はケンケンだけど。

真顔で画面を見つめていると、すぐに返事が来た。

『分かった。じゃあ、明日。おやすみ』

『はい。おやすみなさい』

ケンケンと淡々とやり取りして、私はスマートフォンを机に置いた。
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