お試しデートは必須科目〜しなけりゃ卒業できません!〜
課外活動のお試しデートは、夏休み期間中はしなくても良いとなっていた。

また、活動期間も10月末で一旦終了し、その先続けるかどうかは任意。

つまりあとは、9月と10月に計4回活動すれば、それで終了しても構わないとのことだった。

戸惑いながら始まったこの活動だけど、もうすぐ終わるとなると、なんだか寂しい。

夏休み中は塾の夏期講習に通いつつ、分からない問題があると工藤くんに電話で教えてもらったりしていた。

そして志望校の相談にも乗ってもらう。

私は、海外の提携大学との交換留学が盛んで、語学だけでなくビジネスに役立つコミュニケーション英会話の講座や、外資系企業のインターンシップも多く取り入れている大学を第一志望校に決めた。

「私の学力だと、受かる確率は五分五分くらいだと思うんだけど…」

「それは今の話だろ?これからその大学に絞って勉強の仕方を変えるんだ。まずは過去問を10年分やってみて。そうすると大体の傾向が見えてくるから」

「うん、分かった」

電話口の工藤くんの言葉は何よりも心強い。
会えなくても工藤くんを身近に感じ、勉強漬けの夏休みを共にがんばって過ごしていた。
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