お試しデートは必須科目〜しなけりゃ卒業できません!〜
第六章 花火大会
「え、花火大会?」

ある日、いつものように分からない問題を電話で教えてもらうと、工藤くんは最後に、来週の花火大会に一緒に行かないか?と聞いてきた。

「工藤くんがそんなこと言い出すなんて、なんか意外」

「そうか?俺って花火大会似合わない?」

「そうじゃないけど。勉強時間が惜しいって思うかなと」

「たまには息抜きも大事だよ。それに花火大会に行くって言っても、せいぜい3時間くらいだ。家で煮詰まりながら机に向かうより、リフレッシュしてから勉強した方がはかどるよ」

「そっか、それもそうだね」

「ああ。どう?行く?」

「うん。行きたい」

「それなら、夕方5時半くらいに待ち合わせでいい?詳しくはまた前日にでも」

「分かった」

電話を切ったあと、私はじわじわと嬉しさが込み上げてきた。

(花火大会なんて、今年は無縁だと思ってた。わあー、なんだか楽しみ!)

それまでに勉強がんばっておこう!と俄然やる気が湧いてきて、私はまた机に向かった。
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