お試しデートは必須科目〜しなけりゃ卒業できません!〜
夕方にホテルに戻ると、着替えてからショッピングを楽しんだり、オシャレなブックストアで本を選ぶ。

ふと壁に貼ってあるチラシを見ると、クリスマスコンサートの文字が目についた。

「ね、今夜チャペルでクリスマスコンサートがあるみたい」

「へえ、行ってみる?」

「うん、行きたい!」

「21時からか。それなら早めに夕食食べようか」

「そうだね。お腹ペコペコだし」

「あはは!結衣、めちゃくちゃ張り切ってスキー滑ってたもんな」

「もう、誰のせいよ?」

ん?と首をひねる工藤くんから、プイッと顔をそむける私。

工藤くんは私の肩を抱き寄せると、顔を覗き込んで聞いてくる。

「もしかして、ヤキモチ焼いてくれたの?」

「…知らない!」

「かーわいい、結衣。キ…」

「ダメ!」

私は工藤くんの手を解いてスタスタと歩き始めた。
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