【超短編】その日から優しい雨の日には必ず水瀬くんの笑顔を思い出すようになった。
ある日の放課後、ぽつりと雨が降っている時。忘れ物をしたのを思い出して教室に戻った。
分厚い雲の影響で薄暗い教室。水瀬くんの机をふと見ると、鞄と共に一冊の漫画本があった。
水瀬くんはどんな漫画を読むんだろう。ふと気になって、机の前に来て確認してみる。
――これは。
そのタイミングで水瀬くんが教室に。
「水瀬くん、この漫画って……」
はっとした水瀬くんは漫画本を急いで手に取り、机の上に置いてあった鞄に入れた。まるで見られたくなくて、隠すように。困った様子の表情をしていて、ほんのり顔を赤らめていた。
水瀬くんが持ってきていたのは『ドキドキだけど、君と手を繋ぎたすぎる』という題名で、ピュアすぎるじれじれな幼なじみの胸きゅんBL漫画の3巻だった。
「……その漫画、私も漫画アプリで追ってる」
「そうなの?」
水瀬くんの表情が少し和らいだ気がする。
「うん。アニメからハマったんだけど、すごく面白いよね。その漫画好き」
「……僕も好き。僕は、漫画連載始まってからすぐにハマったよ」
初めて水瀬くんと会話をした。
しかも同じ漫画にハマってるっていう共通点があって、嬉しい。
分厚い雲の影響で薄暗い教室。水瀬くんの机をふと見ると、鞄と共に一冊の漫画本があった。
水瀬くんはどんな漫画を読むんだろう。ふと気になって、机の前に来て確認してみる。
――これは。
そのタイミングで水瀬くんが教室に。
「水瀬くん、この漫画って……」
はっとした水瀬くんは漫画本を急いで手に取り、机の上に置いてあった鞄に入れた。まるで見られたくなくて、隠すように。困った様子の表情をしていて、ほんのり顔を赤らめていた。
水瀬くんが持ってきていたのは『ドキドキだけど、君と手を繋ぎたすぎる』という題名で、ピュアすぎるじれじれな幼なじみの胸きゅんBL漫画の3巻だった。
「……その漫画、私も漫画アプリで追ってる」
「そうなの?」
水瀬くんの表情が少し和らいだ気がする。
「うん。アニメからハマったんだけど、すごく面白いよね。その漫画好き」
「……僕も好き。僕は、漫画連載始まってからすぐにハマったよ」
初めて水瀬くんと会話をした。
しかも同じ漫画にハマってるっていう共通点があって、嬉しい。