【超短編】その日から優しい雨の日には必ず水瀬くんの笑顔を思い出すようになった。
 会話は続いてゆく。

「僕はBL自体が好きで……」
「BLっていいよね! BLでしか味わえない栄養ってあるよね!」
「そうそう、すれ違いの繊細な心情描写とか上手く描く漫画家さんが多くて。読んだ直後にずっと描かれてない方の気持ちも考えちゃって……どうしたらふたりは上手くいくのかな?とか、ずっと頭の中モヤモヤしちゃうんだ」

 ずっと頭の中で……?

「もしかして、学校でも考えてたりする?」
「うん、よく考えてる」

 もしかして気だるそうに外を眺めていた時も、漫画のことを考えていたのかな?

 話題は途切れることがなく、漫画の話をいっぱいした。他の漫画にも詳しくて、オススメ漫画も教えてくれた。

 時間はあっという間に過ぎていく。時計を見ると30分ぐらい経ってた。

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