神様の恋まじない
「普段の俺の行いが悪いからだってのはわかってたよ。だけど、だれも信じてくれないのは、正直つらかったし悔しかった。どうせなに言ったって誰も信じない。さすがにそのときは先生にも暴言吐いたよ、謝ればいいんだろクソ教師、って」
ここまで言われてもわたしの記憶は鮮明によみがえることはなく、そうだっけ?とおぼろげな記憶しか浮かんでこない。
けど、亮がここまではっきり覚えているんだ。
きっと亮にとってこれは、忘れがたい記憶なんだよね……。
「俺がそんな態度だったから、緊急クラス会議?みたいなやつになってさ。その時のことを知ってる人がいたら教えてって先生が言ってさ。どうせそんなことやったって、俺の味方をするやつなんてひとりもいないって思ってたよ。……でもさ、まりかが、言ったんだ」
「え……?」
急に出て来た自分の名前に驚き、声が出た。
思わず反応してしまったわたしの方を向いた亮は泣き出す手前、みたいな儚い表情をしていて……。
心臓がぎゅっと、締め付けられた。