神様の恋まじない
「……まりかがそう言ったから誤解がとけて、まいみの方からはじめて俺に謝ってさ……。けど、疑ってた先生は一言も謝らなくて。これで一件落着、みたいな顔してた。けど、まりかが言ったんだよ。信じなくてごめんって先生も亮に謝って、って。かなり強気で」
「……そんなこと、言ったっけ」
自分で言うのもなんだけど、まったく覚えてなさ過ぎて信じられない気持ちになる。
でも、必死だったあの時の気持ちだけは、なんとなく心の端っこで覚えてる。
そんなわたしを見て、亮は笑った。
「言ったよ。まりかが忘れても、俺ははっきり覚えてる」
「そ、そっか……」
「あんときはもう、ほんとにまりかが輝いて見えたよ。俺のこと、ちゃんと見てかばってくれるやつもいるんだなって」
そう言われると、こっぱずかしい。
でも、いまはもうきっと、そんなことできないだろうな。