神様の恋まじない

 まりかのことは、最初からいいなって思ってた。

 一緒にいると楽しいし、ゲームとか漫画の趣味も合う。

 なにより毎日一緒にいて飽きもせず遊んでいられて、楽しくなかったことなんて一度もない。

 気になる、って思うのは当たり前だったのかもしれない。

 そうしているうちにあの出来事が起こって、俺の中でまりかが好きって気持ちは、より確かなものに変わってた。

 ……好きになった。

 まりかが俺のことを好きになってくれたら、もうなんもいらねーってくらい。

 それくらい、俺はまりかのことが好きだったんだ。

「だけど、自信なんてなかった」

 なんとなく、まりかも俺のことが好きなんじゃないかっていうのは感じてた。

 周りに冷やかされたときも、まんざらじゃなさそうな顔をして。

 目が合うと、お互いちょっと照れくさくなって。

 いい感じだったからこそ、勇気が出なかった。

 告白して振られたらこの関係も終わるって、小学生ながらにわかっていたから。

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