神様の恋まじない
◆さいご◆

 亮から告げられた言葉の数々は、にわかには信じがたいものばかりだった。

 だけど、あの日信じられなかった自分の分まで、いま亮を信じたいと思った。

 そして、あの日つなげることができなかったわたしたちの気持ちは、一足も二足も遅れてやっとつながった。

 ずっと亮に気持ちを伝えることのないまま、亮のことを忘れなきゃいけないんだと思っていたから……。

 それでも、亮が陽菜ちゃんと付き合っているという現実は、変えようもないけれど。

 過去の恋が実ったってだけで、いまも続くわたしのこの恋は、つぼみのまま散っていく運命なんだ。

「……ありがと。聞けてよかった」

 耐え切れず零れた涙をぐいっと拭って、亮を見つめた。

 ……もう、神様には頼らない。

 ここで、きっぱり蹴りをつけるんだ。
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