神様の恋まじない
「そんなの、偶然でもなんとでも言えるじゃん。わたしが変わったのは、あのときすれ違ったのは、亮だけのせいじゃ……っ」
……まりかなら、そう言うと思った。
自分を責める、って。
でも、まじないが本物だったと考えた方が、この状況に説明がつくんだよ。
だから全部、俺のせいだ。
「まりかは優しいからそう思うかもしれないけど。そうなるようにうまいことやってんだよ、その神様ってのが」
……これで全部、あらかた話し終えただろう。
現実味のない話に二人で沈んでいく夕日を眺める。
「……えっと。じゃあ結局、どういうことなの……? これからどうなるの? わたしたち」
「…………」
そのまりかの一言で、バカな俺はやっと気付いた。
俺とまりかの未来に、なんの障壁もないことに。