神様の恋まじない

「交換、な」

 わたしが書いたのを見計らったように、亮がわたしに自分の書いた紙切れを渡してきた。

 同じようにわたしも亮に紙切れを渡して、お互いがお互いの書いたものをいま手にしている。

 緊張で手はぶるぶると震えていたけれど、悟られないように平静をよそおった。

 どうしよう、どうしよう……!

 少なくとも、これできっとわたしの気持ちは亮に伝わる。

 もしもからかい半分で亮が言ったとしたのなら、気合でなんとか誤魔化そうと思う。

 そのために、うすくちいさく文字を書いたんだから……。

 ……緊張と少しの期待で、心臓がいままでにないくらい早鐘をうった。

 実験台の下で、静かに紙を開く。

 「……っ!」

 思わず、息をのんだ。
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