神様の恋まじない

 教室の窓側に位置するわたしの席。

 その隣にある亮の席。

 人気者の亮を取り囲むように、いつでも数人のクラスメイトがいる。

 だから、小柄な陽菜ちゃんからは、座っている亮の姿が見えないのだろう。

 ぴょんぴょんと飛び跳ねながら、教室内をうかがう姿が見える。

 その小動物らしい仕草にアイドル顔負けの顔面ときたものだから、男子たちは口をそろえてばかのひとつ覚えのように"かわいい"と言う。

 そして、反対にそれを快く思わないひとたちも同じくらいいる。

 ……わたしも、そのうちのひとり、だったりする。

 だって、わたしはまだ亮が好きだから……。


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