神様の恋まじない
「志田くんも所詮その程度かー」
冷たく笑う声が本人に聞こえちゃわないか内心ドキドキした。
けれど、そのはらはらとした気持ちは、亮と話していたクラスメイトの声で一気にかき消された。
「あっ! 亮、彼女が会いに来てるぜ~!」
ぴょんぴょんと相変わらず跳ねていた陽菜ちゃんに亮の友達がやっと気付き、クラスの男子がさらに亮を冷やかした。
「やめろって」
クラスの男子の冷やかしを照れながらもいさめて、手でシッシと追い払う仕草を見せた後、亮は陽菜ちゃんに駆け寄った。
その姿に、わたしの心臓は針でつつかれているみたいにちくちくと痛みだす。
何度も見てるんだから、いい加減慣れなきゃいけないのに……。
背の低い陽菜ちゃんを優しく見つめる亮が、わたしの目に写り込む。
まるで、映画のワンシーンのようにそこだけがくっきりとあぶりだされて、わたしの心を強く締め付けた。