神様の恋まじない
「あっ、もちろんまりかちゃんだって背高くて細くてモデルみたいだし、色白だし、大人っぽいし! 町田小すご! いいなー、うらやましー!」
「……あはは、そんなことないけど。でも、ありがとー」
お世辞とわかっていても、そう言われるのは素直に嬉しい。
……だけど、亮と喋る陽菜ちゃんを見て、自然と自分と陽菜ちゃんを比べてしまう。
「ま、なんにせよかわいい子って得だよね」
そんなふうにぶつくさ言う凪ちゃんだけど、凪ちゃんだってもちろんかわいい。
いつも髪の毛はつやつやでアレンジは欠かさないし、誰にでも話しかけていて気さくだし。
……陰口はよくないとは思うけど。
「そうだ、まりかちゃんは好きなひといないの? あ、もしかして彼氏いる?」
これで会話は終わりかな、と思っていたけれど。
きらきら瞳を輝かせながら、凪ちゃんは身を乗り出した。
……これは、思わぬ流れ弾が飛んできた。
休み時間の教室内では、最近もっぱら好きな男子の話題で持ちきりだ。
誰がかっこいいとか、あの子とあの子が付き合っているとか。
絶対ひみつね、なんて言っても、次の日にはクラスのみんなに知れ渡っていることなんてざらにある。