神様の恋まじない

◇きっときみじゃないだろうけど◇

「まりかー！　ラスト決めてー！」

　体育館内は熱気に満ちていた。

　わたしに向けて、ラストのボールが託される。

　ライト側から切り込んで、思いっきりジャンプした。

　シューズが床を蹴る音が好き。

　一番高いところにあるボールを打ち抜くのが好き。

　それが決まって得点になる瞬間は、もっと好きだ。

　相手のブロックをぶち抜いたらドンっと重い音がして、ボールが相手コートに落ちる。

　やった……っ！

「まりか、ナイス―！」

　チームメンバーとハイタッチを交わして、今日の模擬戦はわたしがいるチームが勝利した。

　相手はまだ実力の伴わない一年生たちだから、勝つのは当たり前とも言えるけど……。

　それでも勝つのはいつだってうれしい。

　自分が頑張ってきたことを証明してくれるみたいだから。