神様の恋まじない
「佐多、調子いいじゃん」
部活も終わりの時間になって、ネットや支柱の後片付けをしていると、体育館を半分に仕切っているネットの向こう側から声をかけられた。
亮の一番の親友でバスケ部の、敷島律だ。
律とは亮と同じく幼稚園から一緒で、コミュニティーセンター通称コミセンで一緒に遊んでいたメンバーのうちのひとりでもある。
クラスは離れたけど、律とはいまでもよく話す仲だ。
「……敷島こそ」
「だろー? 見た? 俺のシュート!」
にこにこと屈託のない笑顔を向けられて、これ見よがしにため息をつく。
「見てるわけないじゃん。こっちも部活してたし」
軽口を叩き合うのはいつものことで、それはずっと変わらない。
変わったのは——。