神様の恋まじない

「突然呼び出されて、なんのことかと思いましたよー!」

「あはは……。ごめんね。なつきから聞いて、どうしても気になっちゃって……」

 わたしに人のいい笑顔を浮かべた陽菜ちゃんは、「小学校の頃流行ってましたもんねー」と呟いた。

 わたしの学年だけで流行ってるのかと思ってたけど、そうじゃなかったんだ。

 じゃあ、このおまじないを知っている人は、思ったよりたくさんいるのかも。

「……おまじないのとおりだった?」

「えー、聞きたいですか?」

 じらすように陽菜ちゃんが意地悪く笑う。

 後輩にこんなふうに頼むのは気が引けるけど……。

 それでも知りたいっていうのが本音だ。

 お願いっ!と両手を顔の前で合わせて頼む。

 すると、「しょうがないですね~」とその時のことを思い出すかのように、陽菜ちゃんは上を見ながら話し出す。
< 62 / 146 >

この作品をシェア

pagetop