神様の恋まじない

「……わたしがした三つの願いって、どれも些細なものだったんです」

「そうなの?」

「はい。……まあさいごの三つめは"亮せんぱいと付き合いたい"でしたけど」

 その言葉を聞いて一気に心が重くなる。

 陽菜ちゃんくらいかわいかったら、自力でも叶っちゃいそうだけど……。

 でも、おまじないに頼りたいほど強い想いってことなんだろうな。

 それくらい、陽菜ちゃんは亮のことが好きってことなんだ。

 ひとりで勝手に傷付いているわたしに気付かずに、陽菜ちゃんは淡々と話を続けた。

「でも、神様なんて夢には出てこなかったですけどね」

「え……? そうなの?」

 けろっと「そうですよ~」と言う陽菜ちゃんに、思わずびっくりしてしまう。

 だって、わたしが聞いた迷信と話が違うから……。

 わたしが聞いたときは、たしかこうだったはずだ。

 ——夜の十二時ぴったりにお参りするとその日の夜夢に神様が出てきて、神様がひとつお願いをしてくる。

 そのお願いを叶えてあげると、お礼にお願いを三つ叶えてくれる。

 だけど三つのお願いを叶えてもらったら、大事なものを奪われる——。

 ……そうだったよね?

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