神様の恋まじない
◇神様はいじわるだ◇

 七月に入った。

 梅雨は早めにさっぱりと明けて、からっと暑い日を代わりに連れて来た。

 こめかみから流れてくる汗がべたついて気持ち悪い。

 長い癖毛の髪は、今日はいつもより少し高めの位置でひとつに結んでいる。

 今日は全校朝会だ。

 夏季大会のある運動部の激励会で、いまは体育館に部活ごとに整列しているところ。

 服装は、ゼッケンの取り付けられたユニフォーム。

 三年生三人、わたしを含む二年生三人が正式にスタメンに選ばれたのは、公式戦エントリーの直前だった。

 大会の時にユニフォームを着るのはなんとも思わない。

 けれど、そうではない場所でこれを着るのは、ほんの少しだけ恥ずかしい。

 ……だって、かなりぴちぴちで裾が短いんだもん。

 東中のバレーのユニフォームは、短パンっていってもブルマに近い短さで、肌に張りつくようなタイプだ。

 短パンの隙間から下着が見えちゃわないか、部員のみんなは内心ひやひやだ。

 特に男子がこっちを見てこそこそ話しているのがわかるから、余計に恥ずかしくなる。

 ……そうは言っても、陸上部のユニフォームよりはマシだなと思うけど。

 男子も女子も上下ともペラペラな布切れみたいなユニフォームだし、パンツだって短くてひらひらしてて動けば絶対下着が見える。

 まあ、見せパンを履いているんだろうとは思うけど。

 こんなふうにただでさえいつもより心が落ち着かないのに。

 ……なんでよりにもよって、隣りが亮なんだろう。

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