神様の恋まじない
——神様がいるとするのなら、神様って本当にいじわるだと思う。
そんなこと言って神様のせいにして、自分の決意の弱さをなすりつけているだけだけど……。
全校朝会が終わって、教室に戻る間際だった。
体育館から出て少し歩くと、急に左腕を強く引っ張られた。
驚いて声も出ないうちに、人の流れから逸れるように空き教室の中へと引き込まれた。
そうかと思えば頭をわしづかみにされて、ドアの陰にしゃがませられる。
「ちょっと……、いきなりなに?」
触られた頭と、あまりの近さに、自分の身体が熱を帯びていくのがわかる。
ばくばくと脈打つ胸を必死で抑えながら、腕を引っ張った張本人を睨みつけた。
わたしを引き込んだのは、亮だ――。