神様の恋まじない

「……いやー、今日は災難だったね」

「あはは、ほんとだよね……」

 ほんとうはいけないことだけど、どうしても部活に行く気になれなくて、今日はさぼってしまった。

 大会が近いのに……。

 わたしってばだめだめだ。

 でも、どうしても今日の昼休みのことが頭から抜けなくて、部活に行っても動ける気がしなかった。

「ここ来るの、かなり久々じゃない? 卒業以来?」

「……そうかも」

 わたしを心配して同じように部活をさぼったなつきと、小学生の頃よく遊んだコミセンにやってきた。

 利用者表を書いたらさぼりがばれるかもしれないから、館内には入れない。

 少しだけ持っていた小銭で外にある自販機で缶ジュースを一本だけ買い、隣接されているテニスコート脇の青いベンチに腰かけた。
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