神様の恋まじない
「……こんなこと言うのも、なんだけどさ。まりかがあの子たちの話に同調してたの、ちょっとだけ意外だった」
まりかが悪いって言ってるわけじゃなくて、となつきは気まずそうに続けた。
「だってまりかってさ、誰の悪口も言ったことないじゃん? 小学校のときだって、うちらの間で悪口が始まった時も、まりかがすぐに別の話になるよう、いろいろ話題ふっててさ……。前はまりか、今日みたいなことは絶対しなかったから」
そう、だったっけ……。
そう、だったのかな……。
自分ではわからない。
だって中学に上がって、ぜんぶぜんぶ変わったような気持ちだったから。
自分の変わった部分も変わらない部分も、わたしにはわからない。
「……まあ、あんま気を落とさないようにしよ。こういうことだって、たまにはあるって。ほら、小学校の時なんかよくあったじゃん!」
「そうだね……」
なつきはわたしを励ますために言ったんだろう。
でも、小学校って言われて思い浮かべられるのは、わたしには亮のことくらいだから……。