神様の恋まじない
「……最初に変わったのは、そっちじゃん」
あふれ出した言葉は、自分じゃもう止めることはできなかった。
亮が黙っているのをいいことに、わたしはいままで誰にも言えずに心にためていたことを、ここぞとばかりに思いっきり吐き出した。
「名前だってそう! 前は名前で呼んでたのに、どうして急に名字で呼ぶようになったの?」
「それは……、」
変わったのが周りで、変われなかったのがわたしだった?
変わらないのは、おかしいことだった?
わたしはずっと、本当は名前で呼んでいたかった。
小学生から中学生になっただけ。
クラスメイトが増えただけ。
どうして中学生になったってだけで、男子に交じって遊ぶのがおかしいことになるんだろう。