愛し愛され愛を知る。【完】
(理仁さんって、もしかして……)
「失礼します」
真彩が結論を出そうとすると襖の外から声が聞こえ、先程門の前で待機していた翔と呼ばれた男が部屋へ入って来た。
「お茶をお持ちしました」
「あ、すみません……ありがとうございます」
そんな彼を改めて見ると、朔太郎よりは表情が硬いものの目元や口元など顔の作りが非常に良く似ている事に気づく。
「あの……ご挨拶が遅れました、私、神宮寺 真彩と言います。この子は息子の悠真です」
「ご丁寧にありがとうございます。俺は海堂 翔太郎、朔太郎の兄です」
きちんと自己紹介していなかった事を思い出した真彩が名を名乗ると彼――翔太郎も名乗り、更には朔太郎の兄だと告げた。
「朔太郎さんのお兄さんだったんですね」
「ええ」
派手めで人懐っこい朔太郎とは違い、大人しく終始落ち着いている翔太郎。
黒髪に少し長めの前髪と表情が硬いせいか、真面目そうというか少し怖い人だと思っていた真彩だけど話してみるとそんな事は無いと気付く。
そして、一人で考えていても埒が明かないと感じた真彩は理仁について翔太郎に質問をしてみる事にした。
「あの……少し聞いても良いでしょうか?」
「俺に答えられる範囲内であれば」
「その……理仁さんについて、なんですけど……彼は一体――」
そう真彩が聞きかけた、その時、
「俺について知りたい事があれば、直接俺に問えばいい。別に隠し事をするつもりは無いからな」
再び襖が開き、離れに行くと言っていた理仁が部屋へ入って来た。
「失礼します」
真彩が結論を出そうとすると襖の外から声が聞こえ、先程門の前で待機していた翔と呼ばれた男が部屋へ入って来た。
「お茶をお持ちしました」
「あ、すみません……ありがとうございます」
そんな彼を改めて見ると、朔太郎よりは表情が硬いものの目元や口元など顔の作りが非常に良く似ている事に気づく。
「あの……ご挨拶が遅れました、私、神宮寺 真彩と言います。この子は息子の悠真です」
「ご丁寧にありがとうございます。俺は海堂 翔太郎、朔太郎の兄です」
きちんと自己紹介していなかった事を思い出した真彩が名を名乗ると彼――翔太郎も名乗り、更には朔太郎の兄だと告げた。
「朔太郎さんのお兄さんだったんですね」
「ええ」
派手めで人懐っこい朔太郎とは違い、大人しく終始落ち着いている翔太郎。
黒髪に少し長めの前髪と表情が硬いせいか、真面目そうというか少し怖い人だと思っていた真彩だけど話してみるとそんな事は無いと気付く。
そして、一人で考えていても埒が明かないと感じた真彩は理仁について翔太郎に質問をしてみる事にした。
「あの……少し聞いても良いでしょうか?」
「俺に答えられる範囲内であれば」
「その……理仁さんについて、なんですけど……彼は一体――」
そう真彩が聞きかけた、その時、
「俺について知りたい事があれば、直接俺に問えばいい。別に隠し事をするつもりは無いからな」
再び襖が開き、離れに行くと言っていた理仁が部屋へ入って来た。