愛し愛され愛を知る。【完】
「ゆうま、くるまいや! あるいてかえる!」

 作馬が真彩の事を探っていると知ってから数日が経った頃、あの日以降幼稚園の送迎は毎日車になってしまい公園に寄れなくなった悠真はついに怒りを爆発させて歩いて帰ると言い出した。

「悠真、我がまま言わないで車に乗るぞ」
「いや! こうえんいきたい!」
「公園は今度連れてってやるから。な?」
「さく、うそつき! きのうもいった!」
「……ら、来週は連れてってやるから、それなら良いだろ?」
「いや! これからいく!」
「今からは駄目だって。真っ直ぐ帰るんだ」
「いーや!」

 何故公園に行ってはいけないのか分からない悠真は連れてってもらえない事が面白くないようで、言う事を聞かずに騒ぎ出してしまう。

「悠真、ママに言うぞ? いいのか?」
「しらない! さくきらい!」
「悠真! 帰るぞ」
「うわーん!!」

 いくら言っても聞かない悠真に痺れを切らせた朔太郎はいつになく強い口調で名前を呼ぶと、抱き抱えて半ば強引に車へ乗せた。

「ママぁ……」

 帰宅するなり真彩に泣きついた悠真とバツが悪そうに立っている朔太郎。この状況を見た真彩は帰り際に何かがあった事察し、まずは悠真を宥め始めた。
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