愛し愛され愛を知る。【完】
「え? 悠真が居なくなった!?」

 翌日の午後、ある程度の家事を終えた真彩が部屋でひと息吐いている最中、朔太郎から着信があり何事かと思い出てみると、幼稚園から悠真が居なくなったという報せだった。

『今、手分けして探してるんスけど、見つからなくて……もしかしたら家に戻ってるかもと思って連絡したんスけど……』
「戻ってないわ。あの、私も今からそっちへ行くわ」
『それじゃあ誰かに送ってもらってください』
「分かった」

 居ても立ってもいられない真彩は自分も悠真を探しに幼稚園へ向かう事に。

「あ、金井さんちょうどいいところに」
「どうかしましたか?」
「実は、幼稚園から悠真が居なくなったみたいで、探しに行きたいんですけど……」
「え? 悠真が? 分かりました、すぐに車を出すので真彩さんは準備して表へ出ていて下さい」
「ありがとう、よろしくお願いします」

 部屋を出たところに偶然通りがかった真琴を掴まえた真彩は経緯を話し、車を出してもらう事になった。
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