愛し愛され愛を知る。【完】
「真彩!」

 怒りに任せて悠真が惇也の子供だと分るような言葉を口にした真彩を、理仁が止める隙も無かった。

 真彩を制した時には既に遅く、

「……お前、まさかその子供(ガキ)、俺の血が繋がってんのか?」
「!!」

 頭に血が上っていた真彩は惇也にそう問われて自分の犯した過ちに気付く。

「……だ、だったら、どうだって言うの?」

 こうなってしまうと今更否定する事も出来ない真彩は開き直って問い掛けると、惇也は何やら思う事があるのか黙り込む。

「……ママ?」

 そんな中、大人たちの険しい顔つきや不穏な空気を感じて怖くなったのか悠真は不安そうな表情で真彩に声を掛けたのだけど、未だ冷静さを取り戻せていない真彩に悠真の声は届いていないようで答えない。

「…………ママ……」

 真彩のその態度に不安が増した悠真。今にも泣き出しそうになっていると、

「悠真、来い」

 そう声を掛けた理仁が悠真を抱き上げた。

「真彩、一旦落ち着け。悠真も不安がってる。とりあえずここは俺が話をつけるから、お前は悠真と車に戻ってろ」

 そして今度は真彩に声を掛けて落ち着かせ、悠真と共に車へ戻るよう指示をした。
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