愛し愛され愛を知る。【完】
「――という訳で、私の言い方が少し悪かったんです……」

 一旦店を出て人の邪魔にならない所で話をした真彩。それを聞いた理仁は泣きやみかけた悠真を見た。

「悠真、ママに怒られのは嫌か?」
「……うん」
「けどな、ママは理由(わけ)も無く怒ったりはしてねぇんだ。怒る時は悠真が良くない事をしたからだってのは、分かるか?」
「…………うん」
「そうか、偉いな。それなら、怒られた時は泣くんじゃなくて、どうするか分かるか?」
「………………うん」

 理仁に諭された悠真は頷くと真彩の方を向いて、

「ママ……ごめんね……」

 そう、瞳に涙を溜めながら謝った。

「ううん、ママの方こそごめんね。玩具、一緒に選ぼうか」
「うん!」

 理仁によって悠真と真彩は和解し、二人の間に笑顔が戻る。

「よし、じゃあ玩具売り場に戻るぞ。ほら、真彩」

 悠真を左腕で抱いたままの理仁は空いている右手を差し出す。

「……は、はい」

 それが手を繋ごうという合図だと理解した真彩は少し気恥ずかしくなりながらも自身の左手を伸ばすと、理仁から指を絡めて来たので体温が一気に上がっていくのを感じていた。
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