愛し愛され愛を知る。【完】
「まずはここを持って、前後左右に動かす。ほら、こうしたら動くだろう?」
「ほんとだ!」
理仁は悠真の手に自分の手を重ね合わせて操作方法を教えながら、ぬいぐるみの中心辺りにアームを持って来る。
「狙いが定まったら、このボタンを押すんだ。悠真、押してみろ」
「うん」
言われるがまま悠真がボタンを押すと、アームはぬいぐるみ目掛けて下がっていき、ガッチリと身体を掴んで上昇していく。
「わぁー! とれた!」
掴んだまま上昇していくクレーンを見つめる悠真は取れたと嬉しそうだが、その様子を見ていた真彩はハラハラしていた。
(これ、絶対途中で落ちるよね……)
そう、クレーンゲームはそうそう甘くはない。持ち上げられはするものの、上がりきった瞬間振動で落ちてしまったり、アームが弱いからか、大抵は景品口に向かっている最中に落ちてしまうのだから。
そうとは知らない悠真はすっかり取れた気でいるので落ちてしまった時の反応が怖いと思う真彩だったけれど、それは意外なものだった。
「あ!」
予想通り、ぬいぐるみはアームが上がりきった瞬間に落ちてしまったのだ。
「おちちゃった……」
案の定悠真の表情が曇り、泣き出すのかと思いきや、
「悠真、こういうの物は簡単には取れねぇんだ。もう一度やってみろ」
理仁に言われるともう一度先程と同じようにアームをぬいぐるみの位置まで合わせ始めたのだ。
それには真彩も驚いたようで、呆気に取られていた。
「ほんとだ!」
理仁は悠真の手に自分の手を重ね合わせて操作方法を教えながら、ぬいぐるみの中心辺りにアームを持って来る。
「狙いが定まったら、このボタンを押すんだ。悠真、押してみろ」
「うん」
言われるがまま悠真がボタンを押すと、アームはぬいぐるみ目掛けて下がっていき、ガッチリと身体を掴んで上昇していく。
「わぁー! とれた!」
掴んだまま上昇していくクレーンを見つめる悠真は取れたと嬉しそうだが、その様子を見ていた真彩はハラハラしていた。
(これ、絶対途中で落ちるよね……)
そう、クレーンゲームはそうそう甘くはない。持ち上げられはするものの、上がりきった瞬間振動で落ちてしまったり、アームが弱いからか、大抵は景品口に向かっている最中に落ちてしまうのだから。
そうとは知らない悠真はすっかり取れた気でいるので落ちてしまった時の反応が怖いと思う真彩だったけれど、それは意外なものだった。
「あ!」
予想通り、ぬいぐるみはアームが上がりきった瞬間に落ちてしまったのだ。
「おちちゃった……」
案の定悠真の表情が曇り、泣き出すのかと思いきや、
「悠真、こういうの物は簡単には取れねぇんだ。もう一度やってみろ」
理仁に言われるともう一度先程と同じようにアームをぬいぐるみの位置まで合わせ始めたのだ。
それには真彩も驚いたようで、呆気に取られていた。