愛し愛され愛を知る。【完】
「……そうだな、それじゃあ一時間程時間を潰しててくれ」
「はい。悠真、プレイルームで遊ぼっか」
「うん!」
「クマさんはママが持っててあげるからね」
「わかった!」

 受付を済ませ、中へと入って行く真彩と悠真を見届けた理仁と翔太郎は少し離れ、プレイルームの出入り口が見えるギリギリの位置で人があまり通らない端へと移動するなり本題に入った。

「実は、八旗組の事なんですが、例の男が来週若頭に上がるようです」
「若頭に……そうか。前々からそう言った話があるとは聞いていたが、アイツが選ばれたか。だから態度も大きくなったいたんだな」
「それと、先程朔太郎からメッセージが送られて来まして、その男から真彩さん宛に手紙が……」
「わざわざ屋敷に手紙を寄越して来るとは、随分舐められたモンだな。真彩には悪いが、先に確認する必要がある。手紙は俺が預かると朔に伝えておけ」
「分かりました」
「この分だと、あの男は手段を選ばず悠真や真彩を狙ってくるかもしれねぇ。今まで以上に二人から目を離さないように組員全員に周知も頼んでおけ」
「はい」
「さてと、これからどうするかな」

 この前理仁が牽制したにも関わらず惇也は真彩や悠真の事を諦めてはいないようで、二人を危険に晒さない為にはどうする事が一番良いか、頭を悩ませていた。
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