愛し愛され愛を知る。【完】
「どうした?」
その様子をすぐに感じ取った理仁は客間のドアを荒々しく開けると外に居る組員から事情を聞く。
「それが、箕輪組の若頭が突然やって来て、理仁さんを出せと言って来ています」
「箕輪組の? 分かった、すぐ対応する」
「朔、真彩と悠真を安全な部屋に移せ」
「分かりました」
「翔は俺と共に来い」
「はい」
理仁の焦り具合からただならぬ事態に陥っていると察知した真彩は一気に不安を感じていく。
「理仁さん……」
虫の知らせとでもいうのだろうか、いつになくザワつく心と言い知れぬ不安で怖くなった真彩が理仁の名前を呼ぶと、
「悠真と安全な部屋に行ってろ。朔が付いてるから不安な事はねぇよ」
大変な状況にも関わらず、真彩を気遣って笑みを浮かべて安心させるように優しく声を掛けた。
「はい、気を付けて、くださいね」
「ああ」
「姉さん、こっちへ」
それ以上何も言うことが出来なかった真彩は玄関へ向かって行く理仁を視線で追いながら、朔太郎に促されて悠真の待つ自室へと向かった。
その様子をすぐに感じ取った理仁は客間のドアを荒々しく開けると外に居る組員から事情を聞く。
「それが、箕輪組の若頭が突然やって来て、理仁さんを出せと言って来ています」
「箕輪組の? 分かった、すぐ対応する」
「朔、真彩と悠真を安全な部屋に移せ」
「分かりました」
「翔は俺と共に来い」
「はい」
理仁の焦り具合からただならぬ事態に陥っていると察知した真彩は一気に不安を感じていく。
「理仁さん……」
虫の知らせとでもいうのだろうか、いつになくザワつく心と言い知れぬ不安で怖くなった真彩が理仁の名前を呼ぶと、
「悠真と安全な部屋に行ってろ。朔が付いてるから不安な事はねぇよ」
大変な状況にも関わらず、真彩を気遣って笑みを浮かべて安心させるように優しく声を掛けた。
「はい、気を付けて、くださいね」
「ああ」
「姉さん、こっちへ」
それ以上何も言うことが出来なかった真彩は玄関へ向かって行く理仁を視線で追いながら、朔太郎に促されて悠真の待つ自室へと向かった。