愛し愛され愛を知る。【完】
守りたいもの
「それじゃあ、朔、翔、くれぐれも真彩の事を頼むぞ」
「はい」
「任せてください!」

 惇也と真彩の話し合いの日、同行出来ない理仁は屋敷の玄関先で朔太郎と翔太郎に念を押す。

「真彩、言いたい事は全て伝えてこい。それと、もし相手が何かして来るようなら即刻話は中断して二人と共にその場から離れろ。その後の対応は俺に任せておけばいいから」
「はい、分かりました。あの、理仁さん……悠真をよろしくお願いします」
「ああ、任せておけ」
「ママ、いってらっしゃい!」
「うん、行ってくるね。理仁さんの言う事を聞いて、良い子にしててね」
「うん!」

 直前まで真彩と一緒に行くと駄々を捏ねていた悠真は理仁にデパートへ連れて行ってもらう約束をした事で落ち着き、快く送り出してくれる。

 真彩たちが乗る車が屋敷から遠ざかって行くのを見届けた理仁と悠真。

「よし悠真、デパートに出掛けるか」
「うん!」
「真琴、車の準備を頼む」
「はい」

 理仁の側に控えていた真琴は車を出す為車庫へ、理仁と悠真は出掛ける準備をする為室内へとそれぞれ向かって行った。
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