愛し愛され愛を知る。【完】
 話し合いを終え、部屋を後にした双方はそれぞれ反対方向へ歩いて行く。

「良かったっスね、何とか決着着いて」
「うん、本当に」
「もっと長引くかと思ったけど、思いの外早かったな」
「そうなんだよ、アイツ急に引いたんだよなぁ」
「そうなのか?」
「まぁ姉さんがハッキリ自分の気持ちを伝えたのが堪えたんだと思う」
「そうか……」
「姉さん、これからどうします? 真琴くんに連絡したら理仁さんと悠真はまだショッピングモールに居るみたいですけど」
「そうなんだ? 合流しても大丈夫なのかな?」
「寧ろその方が喜ぶと思いますよ、兄貴も悠真も」
「そうかな? それじゃあお願いしてもいい?」
「俺はこれから少し寄るところがあるので、朔太郎、お前が真彩さんを連れて行ってくれ」
「ん? ああ、分かったよ」
「それじゃあ、また」
「翔太郎くん、ありがとうね」

 何やら用事があるという翔太郎はホテルを出た所で真彩たちと別れ、翔太郎から車の鍵を手渡された朔太郎と真彩は駐車場へ向かって行く。
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