愛し愛され愛を知る。【完】
 高速に乗ってからも尾行は続いているようで、理仁や朔太郎は終始気を張っている状況の中、何も知らない悠真は、

「ママー、おなかすいた! おうちかえりたい!」

 と呑気な発言をする度、真彩は機嫌を損ねないよう、『もう少し我慢しようね』と宥めるのに苦労していた。

「……撒くのは無理そうだ。今のところ何かしてくる様子も無さそうだし、悠真も疲れただろう。次のSA(サービスエリア)に入るぞ」
「了解っス!」
「すみません、悠真が……」
「いや、気にするな。朔も疲れてるだろうからな。そこで俺が運転を代わる」
「いや、俺全然平気っスから!」
「俺に考えがあるから構わねぇよ」

 理仁の提案によってSAに立ち寄ることになった一行だけど、この選択で運命は大きく変わっていく事になる。


「ママーおかしほしい!」

 SAに立ち寄りトイレを済ませた悠真は店に入り、土産物やお菓子などが沢山並んでいる事に驚きながらも瞳を輝かせ、欲しい物を手に取ると真彩に買うようねだってくる。
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