愛し愛され愛を知る。【完】
「真彩の事が気になるか?」
「当たり前だろ」
「真彩に話したぜ、お前が俺から女を……奈々葉を奪った事、不必要になったらゴミのように捨てた事をな」
「あの女は俺が何かした訳じゃない。俺が情報を集める為に通っていた店で働いていて、勝手に俺に付き纏ってきた。要は自分から俺の方に付いたんだ。俺が奪った訳じゃねぇよ。お前が捨てられただけなんじゃねぇのかよ」
「嘘つくんじゃねぇよ! 奈々葉は俺に入れ込んでたんだ! 俺に彼女がいる事を知っても俺と付き合いたい、生活の全てを自分が保証するから彼女と別れて自分の元へ来て欲しいって! アイツが俺を裏切る筈無かった! お前が裏で手を回したんだろうが!」
「……話にならねぇな。そう思いたければそれでもいい。だがな、その事で俺を恨むなら俺だけを狙えばいいはずだ。真彩を巻き込むな」
「馬鹿か? お前をただ痛めつけても殺しても面白味がねぇんだよ。お前を絶望させて、その表情を見てから殺す。それにはお前の一番大切なモノが必要だろ?」
「…………お前はどこまでも性根が腐ってるようだな」
「何とでも言えよ。お前には身内も居ねぇし浮いた話もなくて、その辺は苦労してたんだ。囲ってる女存在を噂で聞いてはいたけど、その女が真彩だったなんてな。神は俺を見捨てて無かったって事だ」
「……頼む、真彩だけは助けてくれ」
「へぇ? 鬼龍の組長さんが八旗の若頭ごときの俺にお願いですか? そうだな、それじゃあ真彩に選ばせるか。俺が真彩を殺すか、それとも、真彩がお前を殺すか」
「何だと?」
「まぁその二択、真彩なら自分が殺される事を選ぶだろうけどな」
「下衆が!」
「何とでも言えよ。おい、女を連れて来い」
「はい!」
惇也に言われて組員が部屋を出て行く中、今にも殴り掛かりたい衝動を必死に抑え込む理仁は考えていた。この最悪的状況をどう乗り越えるかを。
「当たり前だろ」
「真彩に話したぜ、お前が俺から女を……奈々葉を奪った事、不必要になったらゴミのように捨てた事をな」
「あの女は俺が何かした訳じゃない。俺が情報を集める為に通っていた店で働いていて、勝手に俺に付き纏ってきた。要は自分から俺の方に付いたんだ。俺が奪った訳じゃねぇよ。お前が捨てられただけなんじゃねぇのかよ」
「嘘つくんじゃねぇよ! 奈々葉は俺に入れ込んでたんだ! 俺に彼女がいる事を知っても俺と付き合いたい、生活の全てを自分が保証するから彼女と別れて自分の元へ来て欲しいって! アイツが俺を裏切る筈無かった! お前が裏で手を回したんだろうが!」
「……話にならねぇな。そう思いたければそれでもいい。だがな、その事で俺を恨むなら俺だけを狙えばいいはずだ。真彩を巻き込むな」
「馬鹿か? お前をただ痛めつけても殺しても面白味がねぇんだよ。お前を絶望させて、その表情を見てから殺す。それにはお前の一番大切なモノが必要だろ?」
「…………お前はどこまでも性根が腐ってるようだな」
「何とでも言えよ。お前には身内も居ねぇし浮いた話もなくて、その辺は苦労してたんだ。囲ってる女存在を噂で聞いてはいたけど、その女が真彩だったなんてな。神は俺を見捨てて無かったって事だ」
「……頼む、真彩だけは助けてくれ」
「へぇ? 鬼龍の組長さんが八旗の若頭ごときの俺にお願いですか? そうだな、それじゃあ真彩に選ばせるか。俺が真彩を殺すか、それとも、真彩がお前を殺すか」
「何だと?」
「まぁその二択、真彩なら自分が殺される事を選ぶだろうけどな」
「下衆が!」
「何とでも言えよ。おい、女を連れて来い」
「はい!」
惇也に言われて組員が部屋を出て行く中、今にも殴り掛かりたい衝動を必死に抑え込む理仁は考えていた。この最悪的状況をどう乗り越えるかを。