愛し愛され愛を知る。【完】
 それから数日後、理仁も真彩も医者からの許可が出た事で自宅へ帰れる事になった。

 真彩はかかりつけ医に診てもらい、今度こそ絶対安静を条件に自宅で過ごす事を許可され、理仁は朔太郎や翔太郎が目付け役となって無理しない程度に日常生活を送る事を許さされていた。


「ママ、だいじょーぶ?」
「うん、平気だよ。悠真にも心配掛けてごめんね」
「ううん、へーき。だけど、もうゆうまをおいて行かないでね」
「うん、ごめんね」

 真彩は絶対安静となり、ほぼ寝たきりの毎日を送る事になってしまったので、悠真は学校から帰ってくると、常に真彩の傍に付いていた。

 それからひと月後、理仁が撃たれた事によって西区域の上位組織も流石に黙っていられないと立ち上がり、東西の上位組織が協力関係となった事で、穂積会は一気に追い込まれていった。

 そして、話し合いの場が設けられ、穂積会は解散、属していた組員たちは各組織に身柄を預ける形でそれぞれ別れていった。

 これでこの一件は全て片付き、理仁も忙しく動き回らずに済む事に。

 臨月を迎えた真彩も安静を守り続けたおかげか、医者からは無理の無い程度に動いていいと言われ、鬼龍家にはいつもの平穏な日常風景が戻っていた。
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