愛し愛され愛を知る。【完】
「うわぁー! すごい! ひろーい! 海! プール!」

 週末、鬼龍家の面々や来られる組員たち皆で、プライベートヴィラへとやって来た。

 ここは海が一望出来る場所にあって、五棟ある宿泊施設を一棟を貸しきれるというものなのだが、あくまでも家族水入らずで過ごしたかった理仁は全ての棟を貸し切り、折角だからと来られる組員たちも誘ってやって来たのだ。

 部屋の広さは勿論、簡易遊具やちょっとした広場、プールに露天風呂、バーベキューなどの設備も完備され、子供から大人まで楽しめる施設だった。

「パパ、プールであそぼー!」
「ああ」
「ママとりまも、プールであそぶ?」
「理真はまだプールは無理だから、ここで見てるね」
「そっか! わかった!」

 一緒に入れない事を少し悲しんでいる様子だったけれど、プールは部屋からも見られるので窓を開けていれば一緒に入れなくても楽しめると納得したのか、駄々をこねたりはしない悠真。

 いつになくはしゃぐ悠真を前に、皆も普段の生活を忘れるかのようにはしゃぎ、楽しんでいく。

 夜には皆でバーベキューをしたり、花火をしたりして過ごし、悠真は終始楽しそうだった。

 皆それぞれの部屋へ戻り、理仁と真彩、悠真と理真の家族四人だけになった部屋で、真彩が悠真に今日の感想を聞いてみた。
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