愛し愛され愛を知る。【完】
番外編―エピローグ―
 理真が生まれてから約半年の時が過ぎ、鬼龍組の面々も大きな変化を見せていた。

 朔太郎は保育士の資格を取得した事を生かして、人手不足の日は皇保育園の保育士としての仕事をこなす日々も増えていた。

 それでも、やはり鬼龍組組員として理仁の役に立ちたい彼は、真彩や悠真の送迎を出来る限り担当していく。

 翔太郎は相変わらず理仁の右腕としてサポート役に徹しているものの、最近では真面目で寡黙な彼に、女性の影がちらついているという噂がちらほら。

 それは果たして任務の為なのか、それとも……。

 その他の組員たちも、理仁を助け、鬼龍組を東区域一の組織となれるよう日々自分の任務をこなしていた。

 そして理真は、

「理真はもうすぐハイハイ出来ちゃうかもしれませんね」
「ああ、最近よく動いているな。成長が早いから、常に目が離せねぇな」
「本当に。何だかあっという間に何でも出来るようになってしまいそうですね」

 寝返りやおすわり、ずりばいなんかも理真は他の子よりいくらか早く、最近では少し目を離した隙にずりばいで動いていて真彩を驚かせているせいか、平日はいつも気が抜け無い。

 そんな中でも悠真が良いお兄ちゃんなだけあって、休みの日はいつも妹の傍で一緒に遊んであげたり絵本を読み聞かせていたりするので、休日だけは真彩も安心して家事をこなせるのだ。
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