愛し愛され愛を知る。【完】
「悠真、ジェットコースター初めてだったんスよね?」
「うん」
「俺なんて悠真くらいの頃は弱虫だったからめっちゃビビってたけど、悠真は強かったっスよ~」
「本当に?」
「はい。怖がるどころか終始ニコニコして楽しそうでした」
「そっか。でも、思えば最近我がままは少し増えたけど、私と離れる時に泣かなくなって来たなぁ」
「ああ、うちに来た日も部屋離れるってだけでグズってましたもんね」
「うん。一時期保育園に預けてた時も、朝別れる度に大泣きしてたのよ」
「最近は俺のとこや他の人のとこに居ても問題無く過ごせてますしね」
「本当、朔太郎くんをはじめ皆のおかげだよ」
「いやいや、俺たちは別に何も。それだけ悠真が成長してるって事じゃないんスかね」
「そうだね」
「悠真はきっと強い男になりますよ。もしかしたら俺よりもね」
「えー、そうかな?」
「そうっスよ。特に父親がいない分余計かも。俺や兄貴もそうだったけど、子供(ガキ)の頃は早く大きくなって母さんを守れる男になるって思ってたから、悠真もそういう思いがあるかもしれない」
「そっかぁ……でも本当、男の子だし、強く逞しい子に成長してくれる事が一番ね」
「そうっスね」

 朔太郎と話をしていた真彩はふと、ある事を思った。
< 59 / 210 >

この作品をシェア

pagetop