愛し愛され愛を知る。【完】
(朔太郎くんや翔太郎くんがどんな子供だったのかは分かったけど、理仁さんはどんな子供だったんだろう? やっぱり昔から強い子供だったのかな)
それは、理仁の過去についてだ。
「ねぇ朔太郎くん」
「なんスか?」
「理仁さんって、朔太郎くんが出逢った頃から鬼龍組の組長だったの?」
「いや、俺が初めて出逢った時はまだ。先代が生きてましたから」
「先代の組長さんは、亡くなったのね」
「ええ、ちょっとした抗争で……」
「そう。それじゃあ出逢った頃は次期組長候補だったって事?」
「そうっス。若頭でした。まぁ先代の息子なんで当然と言っちゃ当然なんスけどね。先代同様、皆から慕われてましたよ」
組の仕組みについては詳しく分からないけれど、信頼があったという理仁には元から組長になる素質もあったのだろうと思っていた。
「あ、姉さん、悠真が手振ってますよ」
「本当だ」
「上がっていく途中なのにあの余裕そうな表情。あれは将来大物になるかもっスね。鬼龍組の次期組長候補に選ばれてもおかしくないッスね」
「まさか。それはきっと翔太郎くんか朔太郎くんがなるんじゃないかな?」
「俺はないっスよ。まぁ理仁さんは結婚する気ないみたいだから、若頭に選ばれるとしたら兄貴かなぁ」
「え? 結婚する気、ないの?」
「ええ、まぁ理仁さんって本当女に興味ないんスよ。だから姉さんを連れて来た時はビックリしたっス」
「そう、だったんだ」
朔太郎から聞いた『理仁は結婚する気がない』という事実。それは何故なのか知りたい気持ちはあったものの、こういう事は他人から聞く事ではないと思い、結局何も聞けずじまいだった。
それは、理仁の過去についてだ。
「ねぇ朔太郎くん」
「なんスか?」
「理仁さんって、朔太郎くんが出逢った頃から鬼龍組の組長だったの?」
「いや、俺が初めて出逢った時はまだ。先代が生きてましたから」
「先代の組長さんは、亡くなったのね」
「ええ、ちょっとした抗争で……」
「そう。それじゃあ出逢った頃は次期組長候補だったって事?」
「そうっス。若頭でした。まぁ先代の息子なんで当然と言っちゃ当然なんスけどね。先代同様、皆から慕われてましたよ」
組の仕組みについては詳しく分からないけれど、信頼があったという理仁には元から組長になる素質もあったのだろうと思っていた。
「あ、姉さん、悠真が手振ってますよ」
「本当だ」
「上がっていく途中なのにあの余裕そうな表情。あれは将来大物になるかもっスね。鬼龍組の次期組長候補に選ばれてもおかしくないッスね」
「まさか。それはきっと翔太郎くんか朔太郎くんがなるんじゃないかな?」
「俺はないっスよ。まぁ理仁さんは結婚する気ないみたいだから、若頭に選ばれるとしたら兄貴かなぁ」
「え? 結婚する気、ないの?」
「ええ、まぁ理仁さんって本当女に興味ないんスよ。だから姉さんを連れて来た時はビックリしたっス」
「そう、だったんだ」
朔太郎から聞いた『理仁は結婚する気がない』という事実。それは何故なのか知りたい気持ちはあったものの、こういう事は他人から聞く事ではないと思い、結局何も聞けずじまいだった。