愛し愛され愛を知る。【完】
「ありがとうございます。そう言ってもらえて凄く嬉しいです。これからも頑張ります」
「ああ、宜しく頼む」
「はい。あ、そう言えば理仁さん、話があるって言っていましたよね? すみません、私の方が話し始めてしまって」
「いや、別に構わない。話というか、渡したい物があっただけだ」
「渡したい物?」
「ソファー横に置いてある紙袋の中に、俺から悠真へのクリスマスプレゼントが入ってる。枕元にでも置いておいてやれ」

 既にソファー横に置かれていた紙袋を指差しながら理仁は言う。

「あ、ありがとうございます! わざわざすみません。実は朔太郎くんや翔太郎くん、他の組員の皆さんにも貰ってるんです」
「アイツらも、悠真の事は可愛いんだろ」
「何だか貰ってばかりで……」
「気にするな。皆自分があげたいと思ってやってる事だ」
「はい……ありがとうございます」
「それから――」

 言って理仁は先程引き出しから取り出した物を手に、

「これはお前にだ。受け取ってくれ」
「え……」
「気に入るかは分からんが、普段は悠真が居てお洒落しづらいお前でもそれくらいならと思ってな。開けてみろ」
「は、はい……」

 理仁から手渡されたのは手のひらサイズの小さな箱で、開けるよう促された真彩は戸惑いながらも包みを解いて箱を開けると中には、

「……可愛い」

 小さなダイヤが彫り留めでセッティングされた、華奢で可憐なピンクゴールドのハートのピアスが入っていた。
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