愛し愛され愛を知る。【完】
「いつも貰ってばかりで……気にするなと言われても、やっぱり気にしちゃうし、私も理仁さんに何かお返しがしたいです。何か欲しい物とか、して欲しい事、ありませんか?」

 サプライズでプレゼントをする事は簡単だけど理仁のように経済力のある人は欲しい物なら自分で買ってしまうだろうし、余計な物をあげたくもなかった真彩は欲しい物やして欲しい事がないか直接聞く。

「急に言われてもな……その気持ちだけで問題ない」
「それじゃあ私の気が収まりません! 何でも良いんです! 何かありませんか?」
「……本当に、何でも良いのか?」
「はい!」

 真彩の言葉を聞いた理仁は少し悩む素振りを見せた後、何かを思いついたようで口元に笑みを浮かべ、

「それなら、寝心地の良い枕が良い」

 欲しい物を口にする。

「枕……ですか?」
「ああ。今使っている物はつい最近買ったんだが、あまり合わなくてな」
「そうなんですか? それじゃあ、良さそな物を探してみますね」
「いや、探す必要はない」
「え?」
「ここは寝心地が良さそうだから、借りるとするか」
「!!」

 理仁が指差したのは座っている真彩の膝。つまりは、膝枕をして欲しいという事らしい。

「こ、ここ……ですか?」
「何でも良いんだろ?」
「そ、それはそう……ですけど……」

 まさか理仁の望みが膝枕だなんて予想もしていなかった真彩は慌てふためいている。

 そんな彼女の様子を見ていた理仁は、

「冗談だ。本気にするな。その気持ちだけで良い。それよりも、これからも家の事を頼む。俺の望みはそれだけだ」

 若干笑いを堪えつつ真彩に言った。
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